宇津救命丸株式会社公式サイト

会長が紹介する地元高根沢町 宝積寺駅編

2024年07月11日

概要
宝積寺駅は高根沢町の西側に位置し、東北本線(宇都宮線)の宇都宮駅から
2つ目の駅です。1899年に日本鉄道の駅として開業しましたが、話による
と、当初線路は違う場所の田園地帯を通るはずだったそうです。
しかし「火の粉が飛ぶ」「音がうるさい」などと地元農家の反対があり、
農地ではない現在の高台を通ることになったのだとか。
駅が出来て、その周辺が発展したのは言うまでもありません。
その後、1923年に当駅を起点として烏山市を結ぶ烏山線が出来ました。

ちなみに、駅名となった宝積寺という寺は存在せずそのいわれは不明です。

むかしの宝積寺駅
以前、駅舎は線路の西側にしかなく、東側の住人が駅に行くには離れた踏
切を渡って行くしかありませんでした。

当時の駅舎は小さな木造の平屋で、中に切符売り場と待合室、小さな売店
があり、上り列車に乗る時は、ホームの渡線橋を渡って反対側のホームに
行きました。

Wikipediaより

むかしは荷物を主に鉄道で運んでいたため、小荷物を受渡しする窓口があ
り、リヤカーやオート三輪に載せて駅まで運んだり、取りに行ったりして
いました。それはチッキといって、駅で預かった荷物を列車に乗せて運ぶ
システムで、衣類などは竹で編んだ大きな箱型の「小折(こおり)」に入れて
送りました。

駅前には丸通(現日本通運)の倉庫があり、丸通マークのトラックが忙しく
出入りしていました。

小荷物を載せるのは貨物列車ではなく、普通の客車に連結された荷物車で、
新聞などと一緒に駅から各駅へと運びました。また、郵便車が連結されて
いることもあり、走りながら車内で郵便物を仕分けしてました

その後トラック輸送が主力となり、チッキや荷物列車は廃止されましたが、
最近になって、新幹線で駅から駅へ荷物を運ぶシステムがまた復活したよう
です。

現在の宝積寺駅
2008年になって、著名な隈研吾氏の設計で新しい駅が造られました。
橋上に改札口と駅舎を設け、初めて東口が出来、バリアフリーとしてエレベーター
も完備しました。また、同年行われた国際的な鉄道デザインコンペティション
にエントリーし、奨励賞を受賞しました。

近代的なデザインです

東口には、同氏が設計した「ちょっ蔵広場」も完成。栃木県名産の大谷石
を使用したモダンな建物と、古い石蔵を改造したホールが出き、イベント
やライブが行われています。

近代的な駅にがらっと変貌しましたが、いまとなっては、ノスタルジック
な昔の駅舎を残せたらよかったのにと思います

1日の乗降客は約3800人で、宇都宮の会社や学校に通勤・通学する人が多
いようです。朝夕は送り迎えをする車が多く、とくに夕方は、車の列が
ズラッと並びます。

東口には町の名産品店と2件の飲食店がありますが、西口には何もなく、
以前駅舎のあった方が寂しくなってしまいました。コンビニもないのは駅前
に滞留する人が少ないためでしょうか。

アクセス
首都圏から新幹線や在来線で来ると、宇都宮で乗換えて10分ほどで着きま
すが、東北線は約30分に1本なので、乗換えにちょっと時間がかかること
があります。

東北線の車両には、首都圏にない特徴があります。それは、駅に停まっても
ドアが開かないことです。自分でドアの横に付いているボタンを押して開ける
のですが、知らない人は驚きます。これは寒さ対策で、寒い冬に全部のドア
が一斉に開かないための工夫です。ちなみに、開いたドアは自動で一斉に閉
まります。

駅から発着するバスはなく、交通はタクシーしかありませんが、必ずいる
わけではないので予約をしておいた方が安心です。台数に限りがある上、
どうしても乗車距離が遠いので、戻るのに時間がかかるのです。とくに雪
の日は予約が必須です。

駅前には1時間無料の駐車場があり、私営の駐車場も何か所かあります。
料金はなんと1日250円 です

当社から駅まで8キロほどあるので駅へは送迎するかタクシーを使います。
せめて駅前にカーシェアがあればよいのですが。

みどりの窓口
栃木県内で、みどりの窓口があるのは新幹線の駅がある小山、宇都宮、那須
塩原駅、それに日光と宝積寺駅だけで、なぜこの駅にあるのかは謎です。
隣のさくら市にも矢板市にもないので、それが自慢だと前の駅長がおっしゃ
ってました。

烏山線
以前、北海道の幸福駅の切符が人気でしたが、宝積寺駅から烏山線の大金駅
までの切符も「宝を積む」「大金」で縁起がいいと売れていました。
また、終着駅を知らされていないミステリー列車として「銀河鉄道999号」が
上野駅を出発し、烏山駅に向かったこともあり、地元では驚きでした。

架線のない単線で、以前はディーゼルカーが運行されていましたが、2014年に
全国初の蓄電池駆動電車が烏山線に導入されました。
これは、架線区間からパンタグラフによって、また、駅の停車時にバッテリー
に充電して走る車両です。宇都宮から宝積寺まではパンタグラフを上げ、
宝積寺に着くとパンタグラフを下げて烏山まで電池で走行するので、それを
見ようとマニアが集まりました。

車の普及で利用者が減り赤字路線となり廃線の危機もありましたが、もっと
赤字の路線がいくつかあることから、現時点では廃線は回避されました。
ただし本数は少なく、朝夕は1時間に1本、昼間は2時間に1本となっています。
以前は宝積寺駅の始発でしたが、現在は、一部東北本線を経由して宇都宮駅
までの直通もあります。

電話番号
ある時期、宝積寺駅と間違って、当社に列車の時刻の問合せの電話が何回も
ありました。原因は、地元の観光案内に宝積寺駅と当社が並んで載っており、
宝積寺駅の電話番号がなかったことから、当社の電話番号を勘違いをされて
電話をしてきたようです。対応が大変だからなのか、最近JRでは駅の電話番
号は公開していないようです。