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大切な睡眠のお話 ~⑤日本の子どもの睡眠現状~

2024年06月19日

これまで4回に分けて睡眠について解説してきました。5回目の今回は睡眠の現状について触れようと思います。

睡眠の実態

シンクロする寝姿

今春、子どもたちの睡眠の実態を調べる大規模なプロジェクトを進めている東京大学などのグループが中間報告を公表し、小学生から高校生までのすべての学年で睡眠時間が不足する傾向にあることが、NHKで報道されました。

グループによりますと、小学生から広告性までの全国およそ7700人分の結果をまとめたところ、平均の睡眠時間は、
▽小学6年生が7.9時間(474.4分)
▽中学3年生が7.1時間(425.9分)
▽高校3年生が6.5時間(387.4分)
などとなっており、学年が上がるにつれて就寝時間が遅くなり、睡眠時間も短くなっているということです。

厚生労働省が2024年2月に公表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(出典:厚生労働省ホームhttps://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf)では、小学生は9~12時間、中学・高校生は8~10時間の睡眠時間を確保することが奨励されています。また、米国睡眠学会では年齢を細分化して、1歳~2歳児は11~14時間、3歳~5歳児は10~13時間、小学生は9~12時間、中学生・高校生は8~10時間の睡眠時間確保が推奨されています。                           

問題点

背景としては、学校や塾、部活動などの学業や習い事が多くなり、十分な睡眠時間を確保する余裕がなく、睡眠時間の不足が心配されています。

その他の問題点として、スマートフォンやタブレットなどの使用が増えており、その影響で子供たちの睡眠の質が低下しているという報告もあります。電子機器の使用による青色光の影響や、SNSなどの情報過多が睡眠を妨げる要因となっています。

他にも問題点は指摘されています。
一つは睡眠障害の増加です。 ストレスや学業の負担の増加などが原因で、睡眠障害が増加しているとの報告があります。不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの問題が、子供たちの健康や日常生活に影響を与える可能性があります。

二つ目は生活リズムの乱れです。 学校や習い事のスケジュールが不規則であったり、仕事でお父さんやお母さんの帰りが遅かったり。また、休日に遅い時間まで起きているなどで睡眠のパターンを乱し、睡眠の質や量に影響を与えている可能性があります。

習慣の改善だけで対処できないのはストレスです。社会環境の変化により、子供でもストレスを受けるようになりました。そのストレスなどから寝付けない子供が増えています。その原因は、入園・入学の環境の変化、友人関係やいじめ、受験のプレッシャーなどですが、現代の子供たちの多くはそのストレスの発散場所がなく、夜にまで影響を及ぼして不眠になりがちなのです。

睡眠時間の長さと学習能力

世界的に子供の睡眠時間の減少が問題になってきていますが、特に日本の子供の睡眠時間は世界中でワースト1位だといわれています。睡眠時間の減少はさまざまな問題を起こします。

スペインの大学で実験した所、睡眠9時間未満の子は、コミュニケーション力、計算能力、書き取り能力、文法力、理解力全てにおいて、睡眠9時間以上の子供たちよりも劣ることがわかったそうです。それだけでなく、成長の遅れや食欲不振、注意力や集中力・記憶力・作業能率・意欲の低下、イライラ、多動、衝動行為などがみられることもあり、将来肥満になる可能性さえあるとのことです。

適切な睡眠は成長や発達に必要不可欠であり、十分な睡眠を確保するためには、適切な生活習慣や環境の整備が必要です。家庭や学校、社会全体で、子供たちの睡眠状態を向上させるための取り組みが求められています。

睡眠は体力だけでなく、脳の活性や神経の安らぎにも必要です。
睡眠不足は、さらなる睡眠不足の連鎖を起こしますので、生活のリズムを変え、早起きして朝日を浴び、ずれた体内時計をリセットすることも重要です。

子どもの睡眠環境を整えるためには、当社ホームページ内にあります健康アドバイスに投稿してあります①~④のポイントをご参考にしてください。